自分でも「好きだなあ」と思いつつ、今日は4度目のDeath Valley National Parkへ。まあせっかくNational Park Pass(アメリカ国内の国立公園に50ドルで1年間入り放題)も買ったし、車で日帰りできる所では一番お気に入りなので。
今回は「謎の動く岩」が見られるという「Race Track」という場所(かなりの悪路を片道40km以上も走らねばならない)が目当てなので、かなり早起きして朝4時半に出発。さすがにフリーウェイも空いていて快調に飛ばすが、I-215からI-15へ乗って山の中を抜ける辺りで濃霧が発生し、かなりの視界不良状態に。走れないほどではないので、車線の表示と前方車両のテールランプを確認しながら慎重に進む。そうしていても、とんでもないスピードで飛ばす車が後ろから追い抜きをかけてきて危ないことこの上ない。豪雨でも濃霧でも構わず飛ばすCAのドライバー。そりゃあ事故も多いわけだ。
3時間ほどでBakerの街に着き、とりあえず適当なGSに車を停めて、持参したサンドイッチで朝飯。そういえば、I-15を下りてすぐに「レースのため、走行注意」という電光掲示があったが、あれは何だったんだろう(このときちゃんと確認しておくのだったと、後に悔やむことになる)。
GSを出てCA-127(Death Valley Rd)をひたすら北上。まずはRace Trackの路面状況を聞くためにビジターセンターへ寄る予定だったが、センターの開館時間前に着いてしまいそうだったので、予定を変更してDantes Viewへ。やはりここからの雄大な景色を眺めていると「Death Valleyへ来たんだなあ」という実感が湧くが、Badwater(西半球で最も低い土地)よりも気温が14℃近く低いだけにとても寒い。持参したウインドブレーカーを着てもまだ寒いので、適当に写真を撮って退散。
ビジターセンターへ着くと、まだ朝の9時だというのに駐車場はかなり埋まっている。なんとか空きを探して車を停め、センター内へ。まずはInformationデスクでレンジャーに路面状況を聞く。「Race Trackへ行きたい」と言うと、間髪入れず「車は?4WD?」と聞かれた。「SUVですが、2WDです」と答えると、「完璧なスペアタイヤを4本と、十分な水と食料。まずこれが揃っていなければダメ。それに最近雨が降ったので道がぬかるんでいる箇所があるし、今行ってもガイドブックに載っているような光景は見られないよ。ベストシーズンは10月~12月だから」と、(たぶん何度となく説明しているせいか)淀みなく言われてかなり行く気持ちが失せる(笑)。レンジャーにお礼を言ってから、とにかくRace Trackの近くまで行ってみることにする。
ビジターセンターを出てすぐ、車の燃料計が半分近くを指していることに気づくが、Race Trackの近くのScottys CastleにはGSもあることだし、と構わず進む。ところが、Scottys Castleに着いてみると、あるのは古ぼけた給油機が2台あるだけ(もちろんクレジットカード非対応)で、併設された料金カウンターは閉まっているらしい。「ここで給油できなかったら身動き取れないぞ・・・」と蒼くなっていると、係員が他の客に連れられて向こうからやって来た。どうやらカウンターの壁に「ご用の方は係員をお呼び下さい」とちゃんと書いてあったらしい(笑)
ガソリンを満タンにしてホッと一息。さてRace Trackへ。Race Track Valley Rdという道路は、途中までは舗装されているのだがかなりの凸凹道。10分ほど走ったところに分岐点があり、そこからは未舗装となる。試しにほんの入り口のところまで入ってみたが、路面にはかなり細かい砂利が堆積しており、これはスタックしたら面倒なことになると思い、Race Track行きは取りやめ。今後二人以上で来る機会がある時に再考することにする。
来た道を引き返して、次は本日二つ目の目的であるGolden Canyonへ。ここにはトレイル(散策のための道)があり、以前来たときにも歩いたのだが、ろくな準備をしていなかったために歩くだけでヘトヘトになり、景色を楽しむ余裕が無くなってしまった。今回はバックパックに水もしっかり入れて出発。
・・・とにかく暑い。トレイルには日陰がほとんど無いので、帽子をかぶっていても直射日光で目眩がする。歩き始めで早くも水に手を付け、飲みながら歩く。帽子もかぶらずに歩いている人もいるが、途中で倒れたりしないのだろうか。途中に二股の分岐点があり、右の方へ行くとグルッと大きく回って出発点に戻るコースとなるのだが、もう暑さにへばっていたために、左の「Red Cathedral」というポイント(以前も訪れたところ)へ行ってから引き返すことにする。
Red Cathedralポイントの直前は岩の狭い隙間をくぐり抜けねばならず、太った身体にはかなり辛いが、なんとかゴールに到着。Red Cathedralの名の通り、赤い岩の崖が目前に垂直にそびえ立つ、峻厳な光景である。写真を撮りながら日陰で休んでいると、なにやら声が聞こえてくる。そういえば途中で老人の団体を追い越したが、その人達が到着したらしい。しかし、例の隙間を通れない(かなり太ったお婆さんもいたので)らしく、ワイワイ騒いでいる。「頼むから無茶はしないでくれよ、通路の岩が崩れたらおれも戻れなくなる・・・」と念じていたらそのうち静かになった。どうやら諦めて引き返したらしい。
Golden Canyonですっかり体力を使い果たした(情けないね)ので、今日はここまでで帰ることにする。そのまま南下してDeath Valey Rdへ出た辺りで、数人の男女が手を振って「車を停めろ」と合図している。窓を開けると、「この先でレースをやってるから、スピードを落として走行してくれ」とのこと。どうやらBakerからLas Vegasまでのマラソンレースを開催しているとのことで、朝に見た電光掲示はこのことを言っていたらしい。
見れば、反対車線(北方向)を伴走車付きのランナーが次から次へと走ってくる。Death Valley Rdは片側一車線の道路なので、たしかにこれはかなり減速しないと危険だろう。しかし、もっと危ないのはランナーと同じ車線を走っている車である。そちらももちろん減速しているのだが、ランナーを追い抜くためにこちらがわの車線へはみ出してくる。しかも、こちらがかなり接近しているのに平気で追い抜きをかけるのである。危なくてしょうがないので、Bakerへ着くまでの大半は、こちらが右側のダート部分へ避けて走行した。
ということで、とにかく疲れた一日だった。
最近のコメント